いよいよ、本格的な夏の到来!毎日暑い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
外の暑さと室内のエアコンの冷たさでぐったり、そろそろ夏バテが心配…、なんて方におすすめの常備菜をご紹介します!
沖縄の夏野菜の代表、ゴーヤーを使って簡単に作れる『黒糖ゴーヤーピクルス』です。
ゴーヤーはビタミンCを豊富に含んでいて、風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果的!
さらに熱を加えてもビタミンCが壊れにくいので、炒めたり煮込んだりしてもしっかり体内にビタミンCを補給できることも特徴のひとつです。
そしてゴーヤーを食べたときに感じる苦味成分は「モモルデシン」という成分で、これがとても身体に良いのです。モモルデシンには、胃腸の粘膜を保護したり食欲を増進する効果があり、さらに神経に働きかけて、気持ちをシャキッとさせる効果もあると言われています。
まさに暑さでぐったりしてしまいがちなこの時期に非常に適したお野菜です。
材料を揃えてしまえば、短時間でさっと作れる簡単レシピですので、夏の常備菜のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。
黒糖ゴーヤーピクルスの材料
- ゴーヤー 中1本
〈ピクルス液〉
- 酢 150ml
- 白ワイン 150ml
- 水 25ml
- 天然塩 小さじ1
- 粉黒糖 大さじ7~10(お好みで)
- 粒胡椒 7~10粒
※塩は食塩ではなく、天然塩を使ってください。ミネラル分が豊富です!!
※今回はうっかり忘れてしまいましたがローリエを1枚入れるとさらに香りが良くなります。
用意するもの:口の広いガラス瓶を熱湯消毒して乾かしておく
作り方
①ゴーヤーはたて半分に切って中のワタを取り、3mmの厚さに切る。切ったゴーヤーに塩をひとつまみふって軽くもんでおく。
②お鍋に湯を湧かして、ゴーヤーを2分間ゆでて湯きりして自然に冷ます。
(湯きりしたあとの余熱でゴーヤーに火を通すので、決して冷水で一気に冷ましたりしないこと。)
③お鍋に【ピクルス液】を全て入れて火にかけて粉黒糖がしっかり溶けたら火を止めて冷ます。(今回はローリエを入れ忘れてしまいましたが、ここでローリエを入れる。)
④冷まして常温にした②のゴーヤーとピクルス液を瓶に入れてしっかり蓋をし、日の当たらない涼しい場所で保管する。3日たてば味も染み込んで食べごろです。
粉黒糖を使うとかたまりの黒糖より早くさっと溶けるので、長時間煮詰めてお酢の香りを飛ばしてしまうこともありませんよ。今回はおばちゃまお気に入りの鹿児島の壷作り黒酢で作ってみました。
お酢は昔から日本人に親しまれてきた発酵食品の代表
冷蔵庫のない時代に生の食材を保存するための基本的な智慧がいっぱいつまっています。お酢の高い殺菌能力は、科学的にも実証されており、その殺菌効果が防腐の役割を果たしてくれます。
また、唾液の分泌を促して、胃の働きを活発にし、消化を促進する働きがあるので胃もたれや消化不良を防いでくれることも期待できます。そしてお酢の成分は、酢酸が主体。酢酸は、糖分と一緒にとることで、疲労回復に役立つ報告等もあるといわれています。
冒頭でお話したゴーヤーのビタミンCやモモルデシンという成分もそうですが、お酢、黒糖、ゴーヤーは、まさに暑い夏の強い味方!頼もしい最強トリオなのです。
その他にもお酢にはお肉を柔らかくしたり、魚の臭みをとったり、血糖値や中性脂肪、内臓脂肪の上昇を抑える働きがあると言われています。
ピクルス液に自分の好きなハーブや香辛料(ローズマリーや唐辛子など)を入れると、香りも味わいも変わって楽しいですよ。ゴーヤー以外でも皮をむいたトマトやきゅうり、セロリ、人参などいろいろな野菜でピクルス作りにチャレンジしてみてはいかがでしょう?
小鉢に入れてそのまま食べたり、刻んで野菜サラダやポテトサラダに入れても味や食感のアクセントになります。
スーパーやコンビニに行けばバラエティー豊富にピクルスやお漬け物が販売されていますが、市販の調理済みの物よりも、食材からしっかり選んでちゃんと手を入れて作ったもの(沖縄の方言で言えば〝ティーアンダー〟のこもったもの)が一番身体が喜ぶとおばちゃまは思います。
食は命を守ります
「医食同源※1」「一物全体※2」「身土不二※3」を毎日の生活に取り入れていくことが健康な日常を過ごす要です。
自分が暮らす地に実る自然のものを美味しくいただくことが身体の血流を循環させてくれますし、長く愛されてきた食材には、先人達の智慧と工夫がたくさんつまっています。
このような食材の良さを現代の食卓にどう活かすかあれこれ考え・アレンジして、家族や大切な人たちの健康を願いながら日々感謝して美味しく食を楽しむことが心と身体の健康の基本だと思います。
先人達が培ってきた食文化を大切にして活かしていきたいマミーおばちゃまです。
お料理に自信がなくても、真心を込めて作った食は心身を豊かにしてくれるでしょう。
すべて愛です。
※1:医食同源
日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防し、治療しようとする考え方。中国の薬食同源思想から着想を得ていて、病気を治す薬と食べ物とは、本来根源を同じくするものであるということ。
※2:一物全体
仏教用語で、生物が生きているというのは、丸ごと全体で様々なバランスが取れているということであり、そのバランスのまま人体に摂取することが体内のバランスを取るのにも望ましいという考え方。
例えば精白されていない玄米や野菜の皮や葉、小魚の骨は栄養が豊富なので、できるだけ丸ごと食べるのが栄養学の観点からも、健康に良いとする考え方。
※3:身土不二
人間の身体と土地は切り離せない関係にあるということ。その土地でその季節にとれたものを食べるのがその土地で暮らす人々の健康に良いという考え方で、明治時代に石塚左玄らが唱えたもの。