自然をテーマに、材料の生まれる過程と味わいをとことん追求したチョコレート尽くしのお店『タイムレスチョコレート』

タイムレスチョコレート

小雨降る1月下旬のお昼過ぎ、北谷町美浜にあるBean to Bar(ビーントゥーバー)“TIMELESS CHOCOLATE(タイムレスチョコレート)”を訪問しました。

きっかけは去年の秋、オーナーの林正幸さんとパートナーの西尾さんがふらっとうちの黒糖屋にきてくださり、ちょっとお話をしてみたらさとうきびや黒糖の知識の広さと食に対する想いが同一線だったことですぐに意気投合。

いつかタイムレスチョコレートにも伺いたいと思いながらもなかなか時間がとれず、年明けの先月末、やっと訪問できる機会ができたので黒糖屋の店長(私の息子)と一緒にお店に伺いました。

道中は、何故さとうきび?チョコレートと黒糖ってどう繋がるのかしら?の連想ゲームです。

普段から自然の素材を活かした味めぐりを楽しみ、同じ想いのお店や人にアンテナを張り巡らせるマミーおばちゃまにとって、タイムレスチョコレートは好奇心がかなり膨らむ期待のお店。わくわくが止まりません(笑)。

普段なかなか行かない美浜のアメリカンビレッジに着いて、那覇とは趣きのちがう異国情緒あふれる雰囲気にきょろきょろしながら慣れた足取りで目的地に向かう店長の後を付いて行きました。

そして海沿いの建物の2階にある香ばしい豆の香りが漂うお店、タイムレスチョコレートに到着!

カカオ豆の入った麻袋

入店してまずびっくりしたのは、どさっと置かれたカカオ豆の入った麻袋やガラス越しに見えるチョコレート菓子を作っている厨房の様子など製造過程が丸見えの風景です。ここから一体どんなチョコレートが生まれるのだろう?見ているだけで心が踊ります!

店内に入ってすぐの左手のカウンターに出来上がったチョコレートが試食用に並んでいます。

店内に入ってすぐの左手のカウンター

ガーナ、キューバ、ベトナム、コロンビアなど原産地の異なるカカオ豆とそれぞれのカカオとの相性を吟味・配合された多良間産の黒糖、喜界島の島ザラメが入った手作りチョコレートが5種類並んでいて、端から一粒づつ味わっていると、カウンター越しにスタッフの方がそれぞれのカカオ豆の特性や焙煎のお話、味の違いについて細かくわかりやすく説明してくれました。

冒頭にも出てきたBean to Bar(ビーントゥーバー)とは、カカオ豆からチョコレートになるまでの全行程(豆の仕入れ・選別・焙煎・摩砕・調合)を一貫して行う製法のことだとか。

それだけでも大変な作業なのに、なんとタイムレスチョコレートさんは、その原材料のさとうきびまで契約農家さんと一緒に「自然栽培」で育て、手刈りして大釜で手炊きて黒糖を作るという取り組みまで始めているのだそう!

カカオの産地、黒糖の産地によって味わいの違うチョコレートは通の方にはたまらない大人の味わい。力強く、フルーティーだったり、まろやかだったり…全て手作業、カカオと100%ピュア黒糖だけで作られたチョコレートの濃厚な味わいはとても頼もしく奥深いものです。

カカオティー

テーブルに着くと、西尾さんが甘い香りのお茶を出してくださりました。聞けばローストしたカカオの皮を煎じたカカオティーだとか。チョコレートのような甘い香りですが、甘くありません(笑)。

味は爽やかな苦みのあるまさにフレーバーティー。

ポカポカと身体が温まります。右はカカオの殻に入ったカカオ豆。まるでオブジェのような佇まい。自然のものって本当に美しいですね。

100%ピュア黒糖

久々にお会いした林さんはイキイキした表情で、熱くカカオのこと、さとうきびのことをお話くださいます。上の写真は、林さん、西尾さんはじめ、タイムレスチョコレートのスタッフのみなさんがさとうきび農家の方と栽培・手刈り・焚き上げた100%ピュア黒糖。

1番絞り汁のみにこだわってさらに薪日炊き、ガス炊きと分けて手炊きした黒糖なのだそうです。同じ日に同じ畑で収穫したさとうきびで作った黒糖なのに絞りたてをすぐに薪火で焚き上げたものと、ガス釜のある場所まで時間差で運んでガス炊きしたものでは、色も香りも味も違います。う~ん、改めて黒糖って奥が深い!

雑味やえぐみのない、よりおいしい黒糖を求める林さんの情熱が黒糖の美味しさに表れています。林さんの言葉を借りるならまさに究極の「さとうきびの結晶」です。ちなみに右は、私がお土産に持ってきた奄美大島 水間の黒糖。

生黒糖ボンボン

『生黒糖ボンボン』。タイムレスチョコレートさん手作りの100%ピュア黒糖をガーナ産カカオ100%で包んだ100対100の贅沢なチョコレート。鮮度が命な商品のため、通販はしておらず、沖縄でしか味わえないレアなチョコレート菓子です。

生のカカオ豆と作って間もない新鮮な黒糖を目の前にして、林さんの説明を聞きながらいただく生黒糖ボンボンはまるで高級なワインのルーツをソムリエの説明を聞きながらいただくのとおなじくらい贅沢なもの。

カリッと半分かじって断面を見ながら口の中で黒糖とチョコレートが混じり合う味の変化を楽しみます。

カカオ豆の産地別チョコレートのアソートセット

そして早速買っちゃいました!カカオ豆の産地別チョコレートのアソートセット。

カカオ豆とさとうきび、2つの原料だけで作りあげた”ビーントゥバーチョコレート”を食べ比べ出来るスペシャルボックス!

産地の違う4種のカカオ豆と2種のさとうきびの組み合わせ4種類を楽しむ事ができます。

アソートセットの裏面表記

産地別チョコレートのアソートセットの裏面表記です。

原材料名が『カカオ豆』と『さとうきび』だけ。保存料な乳化剤などが一切入っていない、こんなに潔いチョコレートはそうそうありません。食材の品質の良さはもちろん、香り(風味)・味・まろやかさ・鮮度を追求・配慮した自身があるからこそできることだと思います。

林さんのこだわりがチョコレート一粒一粒に入って、この優しい味わいをかもし出していることに喜びを感じました。

いくら自然体であり続けたくても、現代の食生活の中で完璧な無添加食材や料理をあたりまえにいただくことが難しくなっている中で、林さんや西尾さんのような若い世代が自然の食材を育てること、その素材を味わうプロセスを大切にしていることが私の心を弾ませてくれます。

左からオーナーの林さん、黒糖屋 荒垣店長、マミーおばちゃま、タイムレスチョコレートの西尾さん

左からオーナーの林さん、黒糖屋 荒垣店長、マミーおばちゃま、タイムレスチョコレートの西尾さん

このような素敵なチョコレートや生産者に会えて、改めて黒糖の持つパワーを再認識させてもらった気がします。

シンプルな素材は、身体を丈夫に、脳の働きをスピーディーにしてくれると思います。その日は美味しいお茶とチョコレートで幸せモード絶頂のマミーおばちゃまでした。

これからもこのような出会いを大切に、自然の食材をシンプルにいただく姿勢をどんどん身につけていきたいな~と、思っています。

ビーントゥーバー、タイムレスチョコレートは、バレンタインのプレゼントにもオススメです。海の見えるお洒落な店内ではオリジナルドリンクやスィーツも楽しめますよ。


TIMELESS CHOCOLATE
URL:http://timelesschocolate.com/
沖縄県中頭郡北谷町 美浜9−46 Distortion Seaside Bldg 2F
OPEN:11:00~19:00

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