みなさんこんにちは。沖縄は桜の時期もすっかり終わってポカポカ陽気の中、草木の若葉が元気いっぱいに芽吹く季節に入りましたがみなさまいかがお過ごしでしょうか?
今回は、この春から黒糖屋で新しく取り扱うことになりました新糖、『太茎種』のお話をしたいと思います。
この記事の目次
黒糖のイメージをみごとに覆してくれた、黒糖屋の初代太茎種商品、黄金糖。
黒糖屋では4〜5年前に太茎種という品種のさとうきびを原材料につくられた『黄金糖』という黒糖を取り扱っていましたが、その黒糖と出会った時の感動を思い出すと今でも心がときめきます。
それまでの一般的な黒糖のイメージは、黒っぽい焦げ茶色に黒糖独得の苦みのある甘さです。その黒糖のイメージをみごとに覆してくれたのが、黄金糖でした。
濃いベージュ色の落ち着いた色彩と上品な甘さ、まろやかな味わい、心まで癒されました。
その黄金糖をうちの店で取り扱えることのなり「またひとつ、素晴らしい黒糖ラインナップが増えた!!」と、嬉しくなったことを覚えています。
冬の寒さを乗り越え、糖度の高い状態で収穫された生産数の少ない新糖で数に限りがありましたので、季節限定商品として黒糖屋で取り扱いをスタートさせ、毎年限られた時期だけの販売でしたが、リピーターのお客様がつくほど親しまれました。
その年の味や特徴をみんなで語らうのも新糖ならではの楽しみ
香りや味わいで県内外のお客さまを満足感で包むこの季節の看板商品のひとつで『今年の黄金糖は去年より色が濃くて香りが強いね』とか『今年のは湿気を含みやすいから保存に注意しなきゃね』なんていう風に、その年の味や特徴をスタッフや常連のお客様と語り合うのも黒糖屋の春の恒例行事のようになりつつありました。
その流れが一昨年、突然途絶えてしまったのです。原因はその年連続で通過した台風による天候の悪さでした。
黄金糖の原料であるさとうきびの品種は太茎種。美味しいかわりに成長環境の変化にとてもデリケートな品種で伐採までにいたらず不作で終わってしまったらしく、取引先からの入荷も途絶えた状態がしばらく続きました。
太茎種から作られた黒糖、その名もズバリ『太茎種』との新たな出会いに感謝!
そんな折りに、品種の名前がそのまま商品名になった喜界島の『太茎種』という純黒糖に出会ったのです!!
きっかけは昨年の11月に沖縄本島で毎年開催された「離島フェア」に行ったことでした。
例年のようにキョロキョロと美味しい黒糖を探して会場の中を歩いていると向こう側のブースから「太茎種」という大きな文字が私の目に飛び込んできました!
キャーっと嬉しくなるというよりは懐かしさと、まだ作り続けている生産者の方がいらっしゃるのだとホッとした気持ち、そこに一筋の光を受け取った想いのほうが強かったことを覚えています。
でも、品種が良いからといって単純に喜んではいけません。はたしてそこから本当に美味しい黒糖になっているのか。
すぐ様購入し、お店に持ち帰って呼吸を整え、封を開けました。袋からは優しい春の若葉の香りがふわっと香り口に入れると優しくとろける上品な甘さはまさに私の求めていた太茎種から作られる黒糖の味でした。太茎種そのものの持つ美味しさはもちろん、製造過程にも細やかな配慮があるからこそできる美味しさを感じました。
心身を癒される想いと新しい出会いへのワクワクをスタッフと分かち合い、この商品の入荷の即決しました。
クセやえぐみのない優しい甘さの黒糖ですが、その軟らかさも特徴のひとつ。
そしてこの春、待ちに待った初入荷商品『太茎種』が黒糖屋にやって来ました!
口の中でとろける食感は何とも言えない美味しさです。ご覧のように指先でもポキポキ簡単に割れる軟らかさ。
伐採してすぐに絞りたてのさとうきびを手作業で釜炊きして熟練の技で空気を含ませながら煮詰めているからこそこんなに柔らかいのかもしれません。
本物だからこそ味わえる自然の力を最大限にいかした手仕事が伝える美味しさ
太茎種とは、読んで字の如く太くて短い茎からなるさとうきびの品種で一見太々しく見えますが、本当はとても繊細な品種で、さとうきびの原種もあり品種改良されていない、素のさとうきびの旨味を持っています。
とても美味しい品種のさとうきびですが台風に弱いため、生産者も少なくごくわずかな量しか収穫できません。
だからこそ、限られた時期での販売ですがみなさんにもぜひ食べてほしいです!
何事も原点を見る、意識することが自然に近づく第一歩のように思います。
自然体を心掛けることが本物・本質の在り方を教えてくれるのだろうと思っています。
ぜひ、農薬や化学肥料を一切使わず生産された幻のさとうきび、太茎種で作られた黒糖からゆるりとした本物のもつ波動を体感してみてください!