黒糖の原料である「サトウキビ」についてお話ししたいと思います。
あと一段階寒くなるとサトウキビは収穫の時期を迎えます。大切な大地の恵み、恩恵を受ける前にサトウキビについて少しお勉強しましょう(/・ω・)/
サトウキビってどんな植物?
サトウキビはイネ科サトウキビ属の植物で元々の原産国は東南アジアやポリネシアと言われています。遥か昔、琉球の時代にインドネシア→インド→中国から琉球に伝わったと言われています。
原産国が熱帯気候の為、暑さに強く適度な湿度もある亜熱帯気候の沖縄では徐々に栽培エリアが広がっていったのです。ただし、背の高い植物なので風にあおられると葉どうしが擦れ合ってしまいダメージを受けてしまいます。
そのことから、毎年のように訪れる台風はサトウキビ農家にとって深刻な災害といえるのです。
また、サトウキビは気温の低い冬でも育つ強い植物ですが、霜などで根が湿った状態が続くと根腐れを起こしてしまいます。さらに糖度を高めたり、成長し続ける気温として30℃前後が良いとされており、約15℃を下回ると成長が止まります。
全長2~3メートルの時期に収穫するのですが、自生しているサトウキビは5~6メートルほどの長さになります。自生しているサトウキビは成長しすぎているため、栽培しているサトウキビと比べ甘さや水分量が少なく食用には向きません。
沖縄=黒糖のきっかけとは?
サトウキビから砂糖を作る技術は約400年も前に「儀間真常」という人物が中国に若者を派遣し、製糖法を学ばせました。
当時の琉球は薩摩への年貢に苦しんでいました。
そこで「薩摩では黒糖が高値で取引されているらしい」とのうわさを聞きつけ、琉球でサトウキビの栽培から製糖までを行えば年貢の負担を軽くする事が出来るのではないかとの考えから中国への派遣をすすめました。
そのことがきっかけで沖縄に製糖が広まっていったと言われています。400年以上の時を超え、現代では沖縄の特産品として県民のみならず全国、全世界の人に愛されています(*^-^*)
もっと知りたい!サトウキビについて
沖縄の農地の約50%はサトウキビ畑だと言われています。
パイナップルなどの南国のフルーツも紅芋も栽培面積では到底サトウキビにはかないません!それだけ昔から根強く続けられてきた農業なのです。
そんなサトウキビは台風や少雨などの天災や害虫、病気などに対応できる強い品種、並びに安定した糖度を維持するために研究、品種改良が進められています。同じ沖縄県でも、先島諸島では本島と風土の違いがある為主に栽培されている品種が違います。
その島の土壌や環境に合ったサトウキビが丹精込めて農家さんの手によって育てられているのです。サトウキビの収穫は大変な労力を必要とします。
広大な畑にたくましく立派に育ったサトウキビは茎の部分にしっかりと水分が含まれており、ぎっしりと繊維質が詰まっているので1本でもズシっとくる重さです。
そんなサトウキビを収穫するのに、今では機械を使い刈り取った後に手作業で葉を落としていきます。昔はご近所さんや親戚、子供たちもみんなで協力し合い収穫作業を行っていたようです。
苦労して収穫したサトウキビ1本分で出来る砂糖の量は小さなスプーン1杯程度…皆さんが普段口にする砂糖がいかに価値のある1杯なのかが分かりますね!
ですから、お砂糖はじっくりと味わいましょうね( ^^) _旦~~(笑)
貴重なお味!?太茎種について
今年の春ごろに黒糖屋でも話題になった黒糖があります。その黒糖は多くの黒糖を知り尽くしたマミーおばちゃまが絶賛した黒糖で名を「太茎種」と言います。
その名の通り、茎がしっかりと太く一節一節が短くて多いのが特徴です。この太茎種は日本古来の原種でもあり、なんといってもとてもデリケートな品種なのです!
台風に弱く、台風の通り道になる沖縄本島や周辺離島での栽培は不向きと言われています。
そんな太茎種で作られる黒糖は苦味がなくまろやかで、食感は非常に柔らかく口の中でほろほろと溶けていきます。若葉のような爽やかな香りも大変特徴的です(^^♪
口に入れたとたん顔がほころんでしまうような優しい甘さですよ!
黒糖屋でも入荷後すぐに売り切れてしまい、まさに幻になってしまいました…何とも残念です(>_<)
来年、新糖の時期にまた再び入荷出来たら、もしくはどこかで出会えたら是非とも召し上がってみてくださいませ!
喜界島で作られた幻の純黒糖『太茎種』[180g(90g×2袋)]
太茎種の詳細はこちら
まとめ
今回は、黒糖の原料でもある「サトウキビ」についてお話ししました。
沖縄の農地の約半分を占めるサトウキビ畑、広大な畑で力強く成長したサトウキビたちがもう間もなく収穫の時期を迎えます。
来月になると本島の製糖工場へ刈り取ったサトウキビを積んで走るダンプカーが多く見られる事でしょう。いわゆるこの時期の風物詩ですね(^^)また、製糖工場への道すがら道路に落ちて踏まれぺしゃんこになったかわいそうなサトウキビ…これもまた風物詩でございます(笑)
その後グラニュー糖や三温糖、もちろん黒糖に姿を変えて皆様の手元に届きます。1月ごろに出てくる初めの新糖は黒糖の旬ともいわれていますので、旬のものを口にする喜びと幸せを感じなら召し上がって頂きたいものです(^^♪
最後に
だんだんと冬の訪れを感じつつある今日、いかがお過ごしでしょうか?
日本列島の北側ではプチ冬将軍が訪れ、各地で初雪を観測しましたね!一方で日本の遥か南、フィリピン近海で台風が発生などもありました…
今のところ日本に影響を与える可能性は低いのですが用心するに越したことはないですね!北と南ではえらい違いがありますね…不安定なのもこの季節の特徴なのでしょうね!
それでは今回はこの辺で…また次回お会いしましょう!
ますます寒くなっていく季節ですのでくれぐれもご自愛くださいませ♪