美味しい黒糖と新しい出逢いを求めて!2泊3日の奄美大島の旅(前編)

去った2月25日の月曜日、新規開拓ともいえる新たな黒糖とその生産者との出逢いを求め、私マミーおばちゃまと店長(三男)は奄美大島へいざ出陣!

爽やかな日差しの中、乗り込んだ小型飛行機はプロペラで低空を飛んでいるのですぐ真下に海が見えて心地よいらしいのですがマミーおばちゃまは高所&閉所恐怖症の為、奄美到着までの1時間は静かに目を閉じていました。
(実際のところいつもの居眠り状態でした)

そしていざ奄美です。沖縄本島から1日1便しかない直行便での渡航でしたので到着したのは13時45分、奄美の空は少し曇っていましたが、それでも山が多い島なので涼しい風が心地よく流れるなかゆったりした気分を満喫しました。

さっそくレンタカーを借りて名瀬へ向かう途中、お昼もまだでしたのでまずは腹ごしらえ。奄美といえば地鶏料理、鶏飯(けいはん)です!

奄美といえば地鶏料理。
初体験の鶏の刺身と鶏飯(けいはん)の美味しさに舌鼓!

さっそく地元の方に教えてもらった鶏飯食堂へ。

『鶏飯』とは鶏肉、錦糸卵、しいたけ、パパイヤの漬物、タンカンの干皮などの具を熱いご飯の上にのせ、地鶏スープをたっぷりとかけていただく奄美の伝統的な郷土料理。

だし茶漬けのようにさらさらいただく鶏飯はもちろんのこと、鶏の刺身の美味しかったこと言ったらありません!その味に旅の疲れも癒され、満腹ならぬ満福・満足の気分で再び名瀬へ向かいます。

天国にいる祖父母は奄美大島出身でしたのでその道中、父方の祖父母のお墓と、仏壇に手を合わせ、元気で見守られていることへの感謝の念を祈ってきました。

宿泊が名瀬でしたので、宿泊先までの移動で今日一日は終わります。

奄美大島は海に囲まれた島というイメージが強いかもしれませんが、実は山も多い島。南へ行くにつれてどんどん山が深くなっていき、幹線道路の国道58号線を南下して行くと、山とトンネルばかり。

トンネルを通過すると道路、そしてすぐまたトンネル!の繰り返される道、なんじゃこれは!沖縄の北部、ヤンバルに似ている景色ですがこのトンネルの多さと移動距離の長さには店長と二人びっくりポン。

そうこうして目的地に着いたのは夕暮れ時。

朝は、8時頃から営業がはじまり夕方の6時半にはほとんどのお店が終了するとても静かな町並みです。深夜営業店の多い那覇の街から来た私たちには非日常な風景。

ちなみに奄美飛行場から名瀬までの道のりにコンビニはたった2店舗!
スゴイ!

のどかな景色とは裏腹!
ハラハラドキドキ、長い2日目の旅の始まりです。

2日目の朝はいよいよ目的の黒糖新規開拓!美味しくて身体にも良い黒糖を求めてひとりでも多くの黒糖生産者と出逢うためのスケジュールに追われる一日の始まりです。

しかし、沖縄の離島を巡る感覚でスケジュールを立ててしまった私たちにとって奄美大島は広すぎました!

距離感覚の違いから計画したスケジュールはどんどん時間にズレが生じ、残念ながら予定した黒糖生産農家を全てまわることは無理だと早くも気付かされます。

けれどその地その場所に実際に自分の足で行ってみて、土地感覚を認識することは必ず次のステップにつながります。次回の奄美大島訪問のスケジュールを頭の中でイメージし、気を取り直してまずお会いしたかった黒糖生産農家の方に連絡を入れてみます。

するとすぐ様私たちの訪問を快諾していただけましたので、名瀬から1時間かけて会いに行きました。

この旅の道中ずっと利用していた国道58号は、鹿児島県鹿児島市から途中海を挟んで、種子島、奄美大島を経て、沖縄県那覇市へ至る一般国道で私たち沖縄県民にとっても馴染み深い国道です。

しかし沖縄の国道58号線は片道3車線なのに対し奄美では片道1車線の細くて長い道。

昨日同様ついつい沖縄の58号線の感覚で道が太く距離の短い道のりで目的地をイメージしてしまっていたので別名トンネルの島と言われるほど山が多くて広い奄美の道は、果てしなく長く感じられました。

けれどこの移動の時間でハンドルを握る店長(三男)と久々に水入らずで他愛もない会話を楽しめたこともこの旅のおまけのひとつでした。

やっぱり来て良かった!
黒糖生産農家、叶さんとの出逢いにただただ感謝!

「本当にここであってるのかしら?」と、不安になりながら山を切り開いた曲がりくねった道を抜けてやっと目的地に到着。

周囲を山に囲まれた人通りも目印になる建物もほとんどないのどかな場所でしたので迎えに来てもらいました。

まだお取り引きが始まっていませんし、今ご注文を受けているお客様への対応で手一杯、ブログでの具体的な商品紹介は控えてほしいということでしたのでその黒糖の紹介は控えさせていただきますが、生産農家の叶さんはとても魅力的な方でした。

叶さんは元料理人の男性で、奥さまとふたりでさとうきびを手作業で刈り取り、丁寧に黒糖に作り上げている方です。

叶さんの黒糖を作る作業場を見せていただきましたが、その黒糖作りへの情熱と、それを口にするお客様への健康を気遣い、その美味さを存分に味わってほしいという想いは私の今までお会いした黒糖農家さんの中でもトップクラスでした。

厨房を備えた叶さん手作りのテラス。
近い将来、この場所に島の食材を楽しんでもらえる宿泊施設を開きたいとのこと。
楽しみです!

広いさとうきび畑を一人で管理し、刈り取った草や奄美の豊かな大地の栄養だけでさとうきびを育て、手で刈り取り、季節や天気にあわせて薪で煮詰めてごくごくわずかなにがりだけで作られる黒糖の優しい香り、繊細な舌触り、上品な甘さといったらありません!!

黒糖の数だけ生産者の想いがあると思いますが、叶さんの自然に寄り添ったさとうきびづくり、そして食する人たちの食生活もしっかり配慮したうえで、美味しくて身体にも良い黒糖を届けたいという姿勢が、私に食に対する根幹をしっかりイメージし、実行することの大切さを気づかせてくれました。

私たちはあくまで自然の一部、有機肥料や農薬で自然に無理をさせたり、添加物や科学調味料で人体に無理をさせることが本当の食の美味しさにな繋がらないことを叶さんの舌はきっと知っているのでしょう。

叶さんの農法を学びに全国各地からいろいろな作物を育てる生産者の方がこの農園を訪れるそうで、なんとなくみなさんが叶さんの農法に惹きつけられる気持ちがわかる気がしますが、その本質をもっと具体的に理解するためにはこれから何度も足を運ぶことが大切なのだと思いました。

今はタンカンの収穫最盛期、とにかくお忙しそうでしたので長居は野暮、「近々また来ます!沖縄にいらっしゃる際はぜひお声かけください!」と、お約束して叶さんの農園をあとにしました。

まだまだ旅は続きます。(次号に続く)

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